［お偲び］ 樫尾和雄 氏（カシオ計算機株式会社 会長兼最高経営責任者）

備考：葬儀は近親者で施行。後日、お別れの会を開く。
１９４９年日大高等師範部（現文理学部）英語科卒。長兄の樫尾忠雄氏が経営していた工作機械工場「樫尾製作所」に入り、５７年に忠雄氏、次兄の俊雄氏、弟の幸雄氏とともに世界初の小型純電気式計算機を開発してカシオ計算機を設立した。８８年１２月から２０１５年６月まで四半世紀以上にわたり３代目社長を務めた。現在の樫尾和宏社長は和雄氏の長男。忠雄氏が経営、俊雄氏や弟の幸雄氏が商品開発にあたる一方、和雄氏は営業面で力を発揮。７２年に発売した世界初の一般消費者向け電卓「カシオミニ」の企画を手掛け、それまで会社の事務機器だった計算機が一般家庭に普及するきっかけとなった。樹脂製の腕時計にもいち早く目を付け、米国や日本で爆発的な人気となった腕時計「Ｇ－ＳＨＯＣＫ」の開発につながった。「商品開発こそメーカーの経営。商品が分からない人間にはカシオのトップは務まらない」が口癖で、社長に就任してからも重要な製品開発は自ら指揮。９５年にはデジタルカメラ普及に道を開いた「ＱＶ－１０」を発売するなど、新しい市場開拓や独自の商品コンセプトを打ち出すことにこだわり続け、同社を精密機器のトップブランドメーカーに育てた。