[おくやみ]坂田藤十郎 氏(歌舞伎俳優、人間国宝)88歳 2020年11月12日逝去

[お偲び] 坂田藤十郎 氏(歌舞伎俳優、人間国宝)

坂田藤十郎(さかた・とうじゅうろう)氏
命日: 2020年11月12日 10時42分
(東京都内の病院で)
年齢: 88歳
出身: 京都府京都市
肩書: 歌舞伎俳優、人間国宝
備考:本名は林宏太郎(はやし・こうたろう)。葬儀は近親者で施行。
1931年、二代目中村鴈治郎の長男として京都府で生まれる。41年、二代目中村扇雀を名乗って大阪・角座で初舞台。能、義太夫、上方舞の名人のもとで古典芸能の基礎を身に付けた。49年に演劇評論家・武智鉄二主宰の「歌舞伎再検討」公演に参加し、飛躍のきっかけをつかんだ。53年には、東京・新橋演舞場の公演で近松原作、宇野信夫脚色の「曽根崎心中」の復活公演で父が演じる徳兵衛の相手役として遊女お初を演じ、「新しい女形の誕生」と「扇雀ブーム」を巻き起こした。以後お初は当たり役となり、生涯に約1400回勤めた。55年から8年間、松竹を離れ宝塚映画製作所や東宝歌舞伎に所属。映画「海の小扇太」で共演した扇千景さんと58年に結婚した。戯曲を読み込み、深い解釈に基づく確かな演技で「冥途の飛脚」の忠兵衛、「心中天網島」の治兵衛、「伽羅先代萩」の政岡、「仮名手本忠臣蔵」の戸無瀬など、立役から女形まで幅広く演じた。中でも、柔らかみのある和事芸を得意とし、81年に近松門左衛門作品の全作品上演を目指して、「近松座」を結成。「心中天網島」の原作通りの上演や「けいせい仏の原」の復活上演などに取り組み、国内外で公演。上方歌舞伎の再興に情熱を注いだ。90年に三代目中村鴈治郎を襲名。2005年、上方和事の創始者・坂田藤十郎を231年ぶりに四代目として襲名し、藤十郎の名をよみがえらせた。80年に芸術選奨文部大臣賞、94年に重要無形文化財保持者(人間国宝)、2009年に文化勲章を受章。12年、日本俳優協会会長に就任。15年の83歳の時、福岡市の博多座「曽根崎心中」でお初役が通算上演1400回となった。19年12月に京都・南座で「祇園祭礼信仰記 金閣寺」の慶寿院尼の役を勤めたのが最後の舞台となった。妻は元俳優で参院議長を務めた扇千景さん、妹は女優の中村玉緒さん。長男は四代目中村鴈治郎さん、次男は三代目中村扇雀さん。
偲ぶ会:
2021年10月28日
オークラ東京 プレステージタワー1階「平安の間」
参照:
・ 坂田藤十郎さん死去 歌舞伎の人間国宝、88歳
・ 坂田藤十郎さん死去、88歳 人間国宝の歌舞伎俳優
・ 坂田藤十郎さん死去、88歳 歌舞伎俳優、人間国宝―「曽根崎心中」1400回
・ 故坂田藤十郎さんを偲ぶ会 歌舞伎俳優
・ 歌舞伎俳優の故坂田藤十郎さんを偲ぶ会

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