［お偲び］ 桂歌丸 氏（落語家、落語芸術協会 会長）

備考：本名は椎名巌（しいな・いわお）。葬儀は近親者で施行。
生家は横浜の遊郭。小学生の頃からラジオで落語に親しみ、1951年に15歳で五代目古今亭今輔に入門、古今亭今児を名乗った。その後、兄弟子の四代目桂米丸門下に移って桂米坊を名乗り、64年に桂歌丸に改名した。68年に真打ちに昇進。1966年に日本テレビ系で始まった「笑点」に大喜利のレギュラーとして参加。メンバー同士の軽快な掛け合いや社会風刺を利かせた回答でお茶の間を沸かせ、一躍人気者になった。2006年5月からは、勇退した故五代目三遊亭円楽さんに代わって司会を務めていた。番組の顔として16年まで活躍した。高座では、生真面目な性格を映した折り目正しい芸風。当初は新作落語を志していたが、次第に古典落語を中心に取り組むようになった。演じ手のいなくなった落語を掘り起こし、「おすわどん」「いが栗」などの滑稽噺も数多く再生させた。明治の名人、三遊亭円朝作の「牡丹灯籠」「真景累ケ淵」など長編の怪談噺や人情噺にも力を注ぎ、高く評価された。2004年に落語芸術協会の会長に就任。89年に芸術祭賞、05年に芸術選奨文部科学大臣賞、07年に旭日小綬章を受章した。