[おくやみ]直木孝次郎 氏(歴史学者、大阪市立大学 名誉教授)100歳 2019年2月2日逝去

[お偲び] 直木孝次郎 氏(歴史学者、大阪市立大学 名誉教授)

直木孝次郎(なおき・こうじろう)氏
命日: 2019年2月2日 1時27分
(奈良県奈良市の病院で)
年齢: 100歳
出身: 兵庫県神戸市
肩書: 歴史学者、大阪市立大学 名誉教授
備考:葬儀は近親者で施行。
神戸市で代々続く米穀商の家に生まれた。1943年9月、京都帝国大(現京都大学)文学部を繰り上げ卒業し、海軍に入隊。山口県内で終戦を迎えた。大阪市立大助教授などを経て66年から81年まで同大学教授を務めた。戦前の歴史観の原典となった日本書紀や古事記への史料批判を通じ、実証を重視した古代史研究を進めた。研究対象は幅広く、古代氏族や天皇制などについて論文を数多く発表した。大阪市立大学在籍中の1964年には、4世紀末の河内平野に登場した巨大古墳は、大阪の河内平野に台頭した勢力が、奈良の大和盆地を拠点とした政権を倒し、新たな政権を打ち立てたとする「河内政権論」を提唱した。戦前からの「同一系統」説派と論争を巻き起こした。大阪市の難波宮跡など全国の重要な遺跡の保存や検証に積極的に取り組んだ。89年に大阪文化賞を受賞したほか、2000年には文化財保護の活動を顕彰する和島誠一賞の第1回受賞者に選ばれた。03年にはその幅広い活動に対し、井上靖文化賞が贈られた。万葉集にも関心を持ち、自身でも歌集を出したほか、晩年には、海軍士官として終戦を迎えた戦争への思いを朝日歌壇に度々投稿した。87年の宮中歌会始で召人を務めた。著書に「日本古代国家の構造」「日本古代の氏族と天皇」「古代河内政権の研究」など。岡山大学、相愛大学などの教授も歴任した。
参照:
・ 直木孝次郎さんが死去 歴史学者「河内政権論」
・ 古代史学者の直木孝次郎さん死去 「河内政権論」提唱
・ 直木孝次郎さん死去 大阪市立大名誉教授

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