[お偲び] 野村清宝 氏(彫刻師、現代の名工)

野村清宝(のむら・せいほう)
命日: 2020年5月27日
年齢: 85歳
肩書: 彫刻師、現代の名工
備考:本名は野村清。
井波彫刻協同組合の元理事長。業界の重鎮であり、井波彫刻を見せることに尽力した唯一無二の「広告塔」でもあった。バブル崩壊後の景気停滞期に理事長になり、「知ってもらってなんぼ」とテレビや新聞、雑誌などあらゆるメディアに登場した。日に2件の取材に応じたことも。生放送のバラエティー番組「笑っていいとも!」にも出演、司会のタモリさんと会場の笑いを誘い、気難しく口数が少ない職人のイメージを覆した。工房は井波別院瑞泉寺の真ん前。ガラス張りで参拝客が通りから職人の仕事を見ることができる。今でこそ門前には多数の工房が並ぶが、仕事は見せないという風潮が強かった約四十年前にいち早く工房を表通りに移した。メディア出演同様、「見てもらうことが商売につながる」との思いからだ。「どっから来たがけ」と参拝客に気さくに声を掛け、日に何度同じことを尋ねられても嫌がらずに答えていた。特筆すべきは弟子の多さ。組合でも群を抜く21人もの弟子を預かり、うち15人に5年の修業期間を全うさせた。80歳になっても、年齢を心配する周囲を押し切り弟子を受け入れた。後進を育て業界に貢献しただけではない。地元の消防団員や町内会役員も務めた。井波彫刻といえば三百本もののみを使った深彫りが特徴の欄間。王道の伝統技術に優れ、全国から欄間や獅子頭の注文を受けた。多数制作しても「どの客にも最高のものを」と弟子にも自らにも惰性を戒め、「次の作品をもっといいものに」と晩年でも向上心を忘れなかった。手掛けた欄間は井波彫刻総合会館でも目にすることができる。
参照:
・ 野村清宝さん死去 85歳 井波彫刻組合元理事長

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