青柳卓雄さんは

時代の波に翻弄されながらも

皆様とともに人生を歩んできました

幾多の苦難を乗り越えて

生き抜いてきた84年

[おくやみ]青柳卓雄 氏(日本光電工業株式会社 青柳研究室 室長)84歳 2020年4月18日逝去

[お偲び] 青柳卓雄 氏(日本光電工業株式会社 青柳研究室 室長)

青柳卓雄(あおやぎ・たくお)さん
命日: 2020年4月18日 18時30分
(東京都内の病院で)
年齢: 84歳
肩書: 日本光電工業株式会社 青柳研究室 室長
備考:葬儀は近親者で施行。
1972年、皮膚の上から血液中の酸素濃度を測定できるパルスオキシメーターの原理を発明。
参照:
・ 青柳卓雄氏が死去 日本光電青柳研究室長
・ パルスオキシメーターを発明、青柳卓雄さん死去
・ 青柳卓雄氏死去 日本光電青柳研究室長

青柳卓雄さんの尊さは

時を越えて永遠に生き続けます

決して忘れられることなく

6つの追悼の言葉があります

  1. 青柳卓雄さん、朝日新聞デジタル版などにてご逝去の次第を知りました。ご冥福をお祈りします。長岡高校(3年次同級)、新潟大学工学部電気工学科では、卒年次同じゼミだった佐藤英です。
    卒業年当時は、ようやく接合型トランジスターが発明され、SONYがポケッタブルラデイオの開発・販売を開始された頃で、青柳さんとは半導体材料やパラメーター計測のテーマに取り組みましたね。医療機器の会社に就職されてからは、各種手術などのシステム的監視装置の開発や要素パラメーターの計測装置の開発に取り組んでいると云っていましたね。
    後年、ある会話の中で“測定誤差と一蹴される中に、よく吟味すると、新しいパラメーターの知見が見えてくる場合がよくある”と云っていたことを思い出します。君の科学者・技術者としての問題意識の持ち方の資質の側面をよく表していたと思います。
    昭和天皇ご逝去の往時、アメリカ製のパルスオキシメーターが話題となり、原理発明者が日本人の青柳卓雄氏であることが判明、東大から学会人視野の恥~日本人の名誉のために博士号を受け取ってください、と頼まれ、会社の試験・研究報告書を数編急ぎ取り揃えて提出した、などの裏話を披露してくれましたね。
    国内外の各種褒章に加えて、ノーベル賞へ推薦の動きもあったようですね。ノーベル賞は、死後では対象外となる、長生きせよ、と励ましたものでしたね。でも、パルスオキシメーターの包括的理論は未完である~まだ、その改良に頑張る由、の弁でしたね。
    でも、「新型コロナ感染症問題」で、君の業績は、医療界はもとより、さらに世上の認めるところとなりました。最低、あと1~2年は生きていて欲しかった。この世界的な「感染症問題」の収束が歴史に残る最大の褒章となることを見届けてほしかったからです。
    私もまた、遠からず、この計器の世話になりながら、近くに行くことになります。そこで、その後の次第を報告しましょう・・・・合掌。


    匿名
    供花(カラー)
  2.  青柳君、老妻逝去の家族葬を実家の墓前に報告することも兼ね~わが米寿の黄昏の旅~共通の故郷を訪ねて追憶を新たにしてきたよ! 念願だった、君の偉業を顕彰する長岡市内の出身小学校の「図書室」、高校の「記念資料館」、工学部の跡地の「記念碑」、新潟市に移転後の工学部の「同窓会館」にある、卒業生の顕彰展示状況などを見学して空路名古屋に帰ったよ。 君の偉業を次世代の若者の教育目的で、歴史に残している展示状況の現状を簡単に報告しよう~仔細は、そこ「彼岸の地」で再会した時に話そう;
     ①:小学校では図書室に君の偉業に「ゆかりの書籍や冊子」が特別なデスクで展示され、子供たちの作文教育の題材にもされており、目頭の熱くなるような感想文の例もあったよ。
     ②:高校の「記念資料館」には、なんと山本五十六元帥の揮毫などと並んで、展示順路の末尾だが、君の偉業を紹介した「新潟大学全学広報誌『六花』」が受納・展示されており、びっくりしたよ!~戦後の偉業人としては初めてではないだろうか?
     ③:新潟市の工学部の「同窓会館」には大きな写真パネルと君の偉業にゆかりの「学位論文を含む著作や関連の書籍」が集められ、特別な書架で展示されていたよ。          ~~~~~~~~~~~~~~
     更に、日本~世界的レベルでの顕彰状況などを紹介して、君の3回忌への祈りとしよう;
     ①:USAの麻酔学会が君を名誉会員とし、全39頁の追悼論文集を発表した。
     ②:NHKが君の生涯と偉業を紹介する20分番組を制作して世界に発信した     
    (NHK World~Japan’s Top Invention)。
      ③:内閣総理大臣が「はやぶさⅡ」と並んで「パルス・オキシメーター」の偉  
        業を表彰した。
    ④:USAの機械学会や呼吸器学会が近年における医療機器開発の偉業と評価、
    などだよ。     ~~合掌~~(2023年7月~佐藤英)


    佐藤英
    供花(カラー)
  3.  青柳君;先々週の4月18日は君の4回目の命日だったね。また,基本特許の出願から丁度50年目になるね。
     ところで、君の生い立ちから終生の生き様=世界的貢献の偉大さが郷里の新聞「新潟日報」(4月28日の朝刊)の特集記事として大々的に報道されたよ!第二面~三面ぶち抜きの特集記事だったよ~ここでは、その見出し文のみを紹介しよう~曰く;<血中酸素濃度測定に革命を起こす>、<世界を救った逆転の発想>、<当初は低評価 研究中断も~米国で普及 海外の権威注目>、<関心事に一心不乱 創造性へのこだわり>など、等と仔細、かつ簡潔に纏められているよ。
     長岡高校や長岡市長、市の能吏はもとより、長岡市民もびっくりしていると思うよ。特にミライを背負う若者の啓発に役立つと良いと思うよ。これは記事の効果への最大の期待だよね。
     君の業績評価は既にクラウド上に膨大にあるが、最近、発見した情報を報告しよう~それは、世界的に権威のある教育分野の学術書籍『Intermediate Physics for Medicine and Biology』の2015年度版に「Pulse Oximetry」が紹介され、その編集者が君の偉業を自身のブログで絶賛していることだよ~彼岸の地でWebが開けるかどうかは知らないが、そのURLを下記に紹介して、命日におくる追悼の言葉としよう・・・(合掌)。
     <追記>:今度の5月17日に東京駅近くで、君がいつもカメラ係だった「東京・六和会(高校同期会)」が開かれるよ(コロナ後初)。新聞記事を紹介しようと思っているよ。

    https://hobbieroth.blogspot.com/2020/01/takuo-aoyagi-and-discovery-of-pulse.html


    佐藤 英
    供花(カラー)
  4.  青柳君、昨年暮れに、君に喜んで欲しい慶事があったことを、君の命日(四月十八日=発明の日)を前に報告するよ。即ち、「パルス・オキシメータ」が国際的技術者団体=IEEEの「マイルストーン(技術史的記念碑)」に認証されたよ。
     君が逝ったのは「コロナ禍」の最中だったが、君の偉業の効果が改めて、世界的に認識されたためだね。すでに紹介した「内閣総理大臣表彰」や米国の麻酔学会の名誉会員推挙に加えて、日本の(財)電気学会から「でんきの礎」の盾の授与があったよ。
     君の開拓した「パルスオキシメトリ」などに加勢された「光応用の非侵襲的生体診断センサーやシステム」のその後の発展は目覚ましく、血糖値の検査法も実用段階に達したようだね。「スマートウオッチ⇆スマホ」などの「ウエアラブルな装置」は勿論のこと、社会的な「医療通信ネットワーク構築」用の機器も開発され、展開段階にあるようだね。
     かって、クラス会の席で、、、みんな俺のオキシメータの世話になるぜ、、と云っていたが、その通りになっているよ。歯科医院にだって、診断机や治療装置の近くに置いてあるよ、曰く;医事法で義務となっています、、とか、、。下記はこれらを報ずる日本光電工業のホームページだよ・・・
    https://www.nihonkohden.co.jp/information/aoyagi.html


    佐藤 英
    供花(カラー)
  5. 最近、大学の同窓会誌「悠久会時報」・第147号(2025年4月発行)
    に、次のような記事を投稿したよ;
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    本学部(S33年卒)・故「青柳卓雄」博士の「パルスオキシメータ」
    (日本光電工業)が国際学会・「IEEEのMilestone」に認証される
    (高校・本学部での卒業研究時代以来の友人・佐藤英氏の寄稿)

    1.「IEEE Milestone」認証とは?
    「IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)」は42万人の電気・
    電子・情報系技術者を擁し、米国に本部を置く世界最大の技術者団体で、顕彰事業の中には「IEEE メダル」授与や「Milestone(銘板)」認証などがあり、その価値はノーベル賞級とされています。「メダル」授与は革新的事業の創業や技術開発の人に、「銘板」認証は「技術史的・記念碑的遺産価値」の証として、その成果物を対象として与えられます。
    2.日本の技術開発の認証例
     これまで日本の技術開発に対する「Milestone」認証例は40件余あり、著名なものでは「八木・宇田アンテナ(東北大学)」、「高柳テレビ(現・静岡大学)」、「東海道新幹線(JR東海)」、「黒部川第四発電所(関西電力)」、素粒子(ニュ ートリーノ)の検出と物性の研究(ノーベル賞を2件授賞)に貢献した大型「光電子増倍管(浜松ホトニクス)」などがあり、直近の例では「QRコード(デンソー)」があります。
    3.昨年度の受賞例
    昨年度、日本生まれの技術として、さらに5件が「Milestone」認証されましたが、そのうち新潟大学工学部に関連したものが2件あり、一つが題記の「パルスオキシメータ」、二つめは トヨタ Hybrid Car 「Prius」でした。
    青柳卓雄博士(以下青柳氏)の「パルスオキシメトリ(パルス光応用領域)の開拓」については既に「IEEEメダル」が授与されており(2015)、その内容は『悠久会時報~雪華~六花』誌、「新潟日報の特集」等で詳細に紹介されてきました。
    4.「パルスオキシメータ」の「認証銘板と装置」の写真(ここでは省略)
    今回授与された「IEEE Milestone(銘板)」(日本光電工業の許可を得て引用)、および装置(OLV-5100)の写真を紹介します。銘文には・・クリニック、病院、家庭などにおける手ごろな価格の医用機材として、全世界で多用されている旨が銘記されています。
    5.往時の思い出(1)
     ところで、このような慶事を既に鬼籍にある青柳氏に伝えるすべはありませんが、往時、研究に打ち込んでいた頃の大学クラス会写真を取り出して、こころで報告した次第でした。青柳氏が、もし長命で、今回の「Milestone 認証」を生前に授与されていたら大変に喜んだでしょう。彼は田舎や都会、貧富の差に関わらず、オートメ―ション的な社会保健システムへの寄与こそが医療機器開発従事者の仕事であり、目標だと常々語っていました。
    現在の「スマートウオッチ⇆スマホへの展開」の実態や「Milestone 銘板」の文面(家庭でも手ごろな・・云々)が装置の社会的普及と寄与を公的に認めた証であることを読みとり、大いに満足したでしょう。
    6.往時の思い出(2)
     青柳氏曰く・・赤外光を使った動脈血の研究をしているが、‟組織が邪魔になってねえ”・・人事組織(?)ではないよ! 表皮や脂肪層などの人体組織だね!とか?
    また、動物実験用に野犬を飼い、ひんしゅくをかったなどと、車座の武勇談義に花が咲いたものでした。
    7. 往時の思い出(3)~工学部での記念講義の記録
     青柳氏は紫綬褒章受章(2002)の直後、母校の工学部に招かれて講義をしています。その予稿は学位論文(東大)や特許明細と共に第一級の資料であると思います。講義内容で注目されるのは、単に「パルスオキシメ トリ」の新分野開拓や装置開発プロセスの紹介に止まらず、自らの内面的な葛藤を含めて、「独創性とは何か」を極めて深く考察し、有言実行していたことです。
    数ページの考察内容を項目別に整理・紹介すれば;
    1)先人の伝記、論文を読み、分野の歴史を知る、
    2)問題、課題を絞り、仰臥位にて常に考える(*)、
    3)世上のノイズ(~はずがない、、無理だ)と闘う、、
    などでした。 (*)~寝ても覚めても、、、?
    青柳氏の発揮した「独創性」の背景を、その偉業を発掘した米国の識者(PhD. J. Severinghaus)は ❝well prepared mind(よく準備された頭脳)は如何につくられたか❞、という考察文を学会で発表しているのです。
    また、文部科学省は「科学技術白書(2022年・第4章)」で「青柳氏」を「イノベーション推進のモデル人物」として写真入りで紹介しています、
                                    (後略)


    佐藤 英
    供花(カラー)
  6. 先の追悼投稿で書き忘れたので、追加させてもらうよ;
    というのは、君の業績をNHKが取り上げ、「Japan‘sTop Invention」というタイトルで20分の国際放映番組(英語)をネットで流していたが、公開期限のルールで最近削除されたようだね。ところが、何方が作制されたか定かでないが、「YouTube」で立派な顕彰的番組が流れているのを発見したので紹介するよ! < https://www.youtube.com/watch?v=YU8vRPYFXAg > この他、パルス・オキシメータの原理や使用法の解説動画も多くみられるようになってきたね・・・‟青柳さん、ありがとう”のナレーションには感動したよ!


    佐藤 英
    供花(カラー)

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