［お偲び］ 松岡享子 氏（児童文学者、東京子ども図書館 名誉理事長）

備考：葬儀は近親者で施行。後日、お別れの会を開く。
1960年、慶応大学図書館学科を卒業後渡米し、ウェスタン・ミシガン大学大学院で児童図書館学を学ぶ。ボルティモア市の公共図書館、大阪市立中央図書館勤務を経て自宅で家庭文庫「松の実文庫」を開設。74年、児童文学作家の故石井桃子さんらと東京子ども図書館（東京・中野）を設立し、理事長を務めた。学校や図書館での本の読み聞かせ活動に力を注いだ。子どもたちを本の世界に誘い、図書館員らの人材育成にも努めてきた。東日本大震災後、同図書館で始めた復興支援プロジェクト「3・11からの出発」を牽引、岩手県陸前高田市の陸前高田こども図書館の運営に協力した。
主な著書に「なぞなぞのすきな女の子」「くしゃみ くしゃみ 天のめぐみ」「子どもと本」「とこちゃんはどこ」、訳書に「しろいうさぎとくろいうさぎ」「くまのパディントンシリーズ」「ゆかいなヘンリーくんシリーズ」「うさこちゃんシリーズ」など200作を超える児童書を手掛けた。69年に「くしゃみ くしゃみ 天のめぐみ」でサンケイ児童出版文化賞、71年に「ゆかいなヘンリーくんシリーズ」「とこちゃんはどこ」で児童福祉文化奨励賞、86年度に子ども文庫功労賞、99年に巌谷小波文芸賞、2011年に日本児童文芸家協会児童文化功労賞を受賞。21年、文化功労者に選ばれた。