［お偲び］ 高野不二 氏（川柳作家・選者）

備考：本名は藤右エ門。
旧佐渡農高などで事務職を務めていた高野さんは、２３歳ごろに川柳に興味を持ったという。結社「番傘」「川柳塔社」に属して投句する一方、古川柳の研究に力を入れて解釈を調べた。１９９１年に始まった文芸投稿欄では発足時から選者を務め、「多読多作が上達の秘訣」と説いた。今年の選者吟では戌年にちなみ、「雑種でもなついた犬をかわいがり」と温厚な人柄がにじむ句を詠んだ。島内では、県の退職者らでつくる愛好会で３０年近く活動した。指導する立場にありながら、「川柳に先生はいない」と同じ目線で取り組んだ。的確な批評で読者に作句の楽しさを教え、地域でも指導するなどして島内の普及に尽力した。川柳への情熱を最後まで持ち続けた。