[おくやみ]一柳慧 氏(作曲家、ピアニスト)89歳 2022年10月7日逝去

[お偲び] 一柳慧 氏(作曲家、ピアニスト)

一柳慧(いちやなぎ・とし)氏
命日: 2022年10月7日 12時37分
(東京都内の病院で)
年齢: 89歳
出身: 兵庫県神戸市
肩書: 作曲家、ピアニスト
備考:葬儀は近親者で施行。
6歳でピアノを始め、戦後、本格的にピアノを原智恵子、作曲を平尾貴四男と池内友次郎に師事。高校時代に音楽コンクール(現・日本音楽コンクール)作曲部門で1位に2回輝いた。19歳で渡米。ミネソタ大学を経てニューヨークのジュリアード音楽院で学び、米国を代表する前衛音楽の作曲家ジョン・ケージさんらと実験的な音楽活動を展開した。帰国後、ケージさんが追求した「偶然性の音楽」を日本に紹介し、図形楽譜などを用いた前衛的な作品を次々と発表。雅楽や邦楽器などを含む幅広いジャンルの作品を手がけた。画家のジャスパー・ジョーンズ、モダンダンスのマース・カニングハム、最初の妻となった芸術家のオノ・ヨーコ、建築家の黒川紀章、劇作家の寺山修司らとジャンルの壁を越えて親交を深めた。70年代には演奏行為の可能性を極限まで突き詰めた超難曲「ピアノ・メディア」「タイム・シークエンス」を発表。日本の連歌に想を得た交響曲「ベルリン連詩」、杉原千畝が主人公のオペラ「愛の白夜」(辻井喬台本)など社会と切り結ぶ題材の作品も数多く手がけた。代表作はピアノ協奏曲第1番「空間の記憶」、モノオペラ「火の遺言」など。尾高賞、サントリー音楽賞などを受賞。1985年、フランス政府から芸術文化勲章を受けた。99年紫綬褒章、2005年旭日小綬章。08年文化功労者に選ばれ、18年に文化勲章。神奈川芸術文化財団芸術総監督も務めた。著書に「音を聴く」「音楽という営み」など。晩年まで大規模なオーケストラ作品を手がけ、若手のプロデュースにも精力を傾けた。15年には現代音楽界の活性化を狙い、作曲家、演奏家、評論家らを広く対象とする「一柳慧コンテンポラリー賞」を創設した。詩人を中心に、言葉を礎にする表現者に贈られる大岡信賞の第1回選考委員も務めた。
お別れの会:
2023年5月8日
サントリーホール ブルーローズ
主催:「一柳慧さん お別れの会」実行委員会
参照:
・ 一柳慧さんが死去 現代音楽けん引の作曲家
・ 作曲家の一柳慧さん死去 前衛芸術の旗手 ジョン・ケージらとも交流
・ 一柳慧さん死去、89歳 作曲家、前衛音楽の旗手
・ 故一柳慧さんのお別れの会 作曲家・ピアニスト、22年10月7日死去
・ 故一柳慧さん(作曲家)のお別れの会

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