[お偲び] 安丸良夫 氏(歴史学者、一橋大学 名誉教授) |
安丸良夫(やすまる・よしお)氏 | |
命日: |
2016年4月4日 10時43分 (東京都内の病院で) |
年齢: | 81歳 |
出身: | 富山県 |
肩書: | 歴史学者、一橋大学 名誉教授 |
備考:京都大大学院博士課程修了。名城大助教授、一橋大助教授などを経て1977年に一橋大教授。定年後は早稲田大客員教授なども務めた。中世史の網野善彦や西洋史の阿部謹也らと並び、戦後の日本の歴史学界をリードした研究者の一人で、幕末の世直し一揆や自由民権運動などを検討し、斬新な民衆運動論を展開した。民衆の神社信仰などが、明治維新を経て国家神道へと大きく作り替えられ、組織化された過程などを論じた。激動期の一般民衆の思考を描き出して、幅広く思想や歴史の研究者に影響を与えた。また近代日本の形成論や、社会史的な研究の評価、歴史学の研究史の再検討など、広範な業績を残し、宗教学や宗教社会学にも影響を与えた。天皇制の本質を追究する「天皇と王権を考える」(岩波書店)シリーズの編集委員なども務めた。「安丸良夫集」(全6巻、岩波書店) 「日本の近代化と民衆思想」「神々の明治維新」「出口なお」「近代天皇像の形成」ほか多数の著書がある。 | |
お別れの会:
2016年5月22日 一橋大学 兼松講堂 | |
参照:
・ 歴史学者の安丸良夫さん死去 斬新な民衆運動論を展開 ・ 安丸良夫さん81歳=日本思想史研究者 ・ 安丸良夫氏死去 一橋大名誉教授 ・ 故安丸良夫氏のお別れの会 一橋大名誉教授 |
一年半前に安丸先生とある研究会の飲み会で一対一で突っ込んで一時間以上お話しできたことは僕には貴重な体験でした。 その時の素敵な笑顔が忘れません。自分の生い立ちと二重写しの『出口なお』は、通俗道徳の観念と相俟って自分の倫理の根底に据えるべき名著です。決して器用な人ではなかったが、ある意味「愚直さ」ゆえに良い仕事を残されたと受け止めています。謹んでご冥福をお祈りします。
吉沢明