［お偲び］ 早坂暁 氏（脚本家、作家）

備考：本名は富田祥資（とみた・よしすけ）。葬儀は近親者で施行。
日大芸術学部卒業後、専門紙勤務や華道などの評論活動を経て脚本家に転じる。平賀源内を主人公にした斬新なスタイルのＮＨＫテレビ時代劇「天下御免」（７１～７２年）で注目を集めた。被爆直後に広島を訪れたり、妹が被爆死したりした体験から、戦争や原爆問題に対する関心が高かった。ＮＨＫドラマ「夢千代日記」（８１～８４年）は、広島で胎内被爆した温泉芸者の夢千代を吉永小百合さんが演じ、原爆への思いを静かに力強く表現した。後に映画にもなった。核廃絶を訴えて精力的に講演活動なども行った。テレビではほかに「七人の刑事」「修羅の旅して」「続・事件」「花へんろ」、「必殺」シリーズやサスペンスなどを手掛けた。生と死をテーマにした作品が多く、生まれ育った商家を舞台にした「花へんろ」シリーズも人気を集めた。ドキュメンタリー番組の放送作家としても活躍した。映画脚本では、「青春の門」（浦山桐郎監督版）や「北京原人　Ｗｈｏ　ａｒｅ　ｙｏｕ？」などがある。自伝的小説「ダウンタウン・ヒーローズ」は山田洋次監督の手で映画化された。