［お偲び］ 春野百合子 氏（浪曲師、女性浪曲の第一人者）

備考：本名は佐伯昌（さえき・まさ）。葬儀は近親者で施行。
父は二代目吉田奈良丸、母は初代春野百合子で、ともに浪曲界の大スター。母の没後、１９４８年に二代目春野百合子を襲名し、大阪・中座での二代目襲名披露興行で初舞台を踏んだ。５５年から百合子一座を組んで全国を巡業。男女の情をうたった文芸浪曲を開拓した。近松門左衛門や井原西鶴の文芸作品を原作に「樽屋おせん」「おさん茂兵衛」「女殺油地獄」「藤十郎の恋」「両国夫婦花火」など愛憎劇を情感たっぷりに語り、女性浪曲の第一人者として活躍した。関西浪曲界の浪曲親友協会の会長を務めた。９３年度の芸術選奨文部大臣賞、９４年に紫綬褒章などを受けた。浪曲師の弟子に春野恵子さんらがおり、演歌歌手の中村美律子さんも師事していた。