[おくやみ]武者小路公秀 氏(国際政治学者)92歳 2022年5月23日逝去

[お偲び] 武者小路公秀 氏(国際政治学者)

武者小路公秀(むしゃこうじ・きんひで)氏
命日: 2022年5月23日 7時20分
(愛知県春日井市で)
年齢: 92歳
出身: ベルギー・ブリュッセル
肩書: 国際政治学者
備考:葬儀は近親者で施行。
国際政治学、国際関係論、そして平和研究の専門家として活躍。人権の推進や反差別運動にも尽力した。父は外交官で、幼少期は欧州で過ごした。学習院大学の政経学部政治学科を卒業し、パリや米国でも学んだ。作家の武者小路実篤は叔父にあたる。学習院大、上智大などの教授、国連大学副学長、大阪経済法科大アジア太平洋研究センター所長、大阪国際平和センター(ピースおおさか)会長、アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)会長なども歴任した。帰国子女としていじめを受けた経験から差別を受ける人々への共感を培い、在日コリアン、アジア人労働者、留学生らの運動にかかわった。国連大学でのマイノリティー研究を機に、部落解放運動とも接点を持ち、部落解放同盟の呼びかけで結成された反差別国際運動では事務局長を長く務めた。一方、駐独大使だった父が日独防共協定に調印したことなどを挙げ、「私には被害者と加害者の二重の意識がある」とも語ったという。ノーベル賞受賞者の湯川秀樹らが55年に結成し、日本国憲法の平和主義や人道主義に基づいて反核非戦の声明や提言を出してきた「世界平和アピール七人委員会」委員を2004~21年に務めた。在任中は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の取り消しなどを求めるアピールを発表した。世界政治学会(IPSA)会長、反差別国際運動(IMADR)副代表理事(後に名誉代表理事)なども歴任。日本政治学会理事会、日本国際政治学会、日本平和学会、国際平和研究協会などにも所属していた。著書に「転換期の国際政治」「人間の安全保障―国家中心主義をこえて」など。
参照:
・ 国際政治学者の武者小路公秀さん死去 92歳、人権問題に情熱注ぐ
・ 追悼:武者小路公秀 元国連大学副学長のご逝去に関するお知らせ
・ 武者小路公秀氏死去 元国連大副学長・国際政治学

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