[おくやみ]水島新司 氏(漫画家)82歳 2022年1月10日逝去

[お偲び] 水島新司 氏(漫画家)

水島新司(みずしま・しんじ)氏
命日: 2022年1月10日
(東京都内の病院で)
年齢: 82歳
出身: 新潟県新潟市
肩書: 漫画家
備考:葬儀は近親者で施行。
幼少期から漫画に親しみ、中学卒業後、海産物問屋で働きながら新人賞に投稿して入選。18歳で漫画家デビュー。子どもの頃から野球好きで1970年、剛速球投手の藤村甲子園を主人公にした「男どアホウ甲子園」(故佐々木守さん原作)で人気を得た。72年に「野球狂の詩」「ドカベン」、73年に「あぶさん」の連載を始め、選手の心理やプレーをちみつに描いて野球漫画の新たな地平を切り開いた。「ドカベン」は不言実行の捕手、山田太郎を軸に、「悪球打ち」の岩鬼、「秘打」の殿馬ら明訓高校の個性的な球児らが人気を集めた。高校野球からプロ野球へ舞台を移し、実在の選手や水島さんの他作品の主人公らも交えて続編を長期連載した。2012年から週刊少年チャンピオン(秋田書店)で始めた完結編「ドリームトーナメント編」が18年に終了した。シリーズ合計205巻、46年の執筆だった。パ・リーグファンとして知られ、飲んべえの代打屋「あぶさん」こと景浦安武が活躍する「あぶさん」は、当時まだ人気でセ・リーグに圧倒的に劣っていたパ・リーグに光を当てた。南海、ダイエー、ソフトバンクとホークス一筋だったあぶさんが劇中で37年の選手生活に幕を下ろすことになった09年10月には、本拠地である福岡市のヤフードームで引退セレモニーが行われた。41年にわたる連載を14年に終えた。他に女性投手の水原勇気が活躍する「野球狂の詩」などヒット作を連発し、野球漫画の第一人者としての地位を確立した。甲子園で活躍した香川伸行さんが山田太郎と似ているなどとして愛称「ドカベン」で親しまれ、水原勇気に憧れて野球を始める少女が増えるなど影響を与えた。実在の選手を漫画に多く登場させ、ファンを楽しませた。「ドカベン」と「野球狂の詩」は映画化、アニメ化された。02年には新潟市の商店街に「ドカベン」などのキャラクター7体の銅像が立ち、人気を集めている。プロ野球の始球式に登場したり、独立リーグのアドバイザーに就いたりと野球振興に力を注いだ。新潟県中越地震の復興支援にも尽力した。小学館漫画賞、講談社出版文化賞など多数の漫画賞を受賞。05年に紫綬褒章、14年旭日小綬章。自らも草野球チームを率いてプレー。プロ野球関係者との交流も深かった。
参照:
・ 水島新司さんが死去 漫画家「ドカベン」「あぶさん」
・ 漫画家の水島新司さん死去 「ドカベン」「あぶさん」の作者、82歳
・ 漫画家の水島新司さん死去、82歳 「ドカベン」「あぶさん」の作者

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