[おくやみ]田中基 氏(民俗学、考古学の季刊誌「どるめん」元編集長、研究者)81歳 2022年11月28日逝去

[お偲び] 田中基 氏(民俗学、考古学の季刊誌「どるめん」元編集長、研究者)

田中基(たなか・もとい)氏
命日: 2022年11月28日
年齢: 81歳
肩書: 民俗学、考古学の季刊誌「どるめん」元編集長、研究者
備考:後日、お別れの会を開く。
長年、諏訪信仰や諏訪地方の縄文文化の研究に力を注ぎ、書籍の編集や執筆活動、講演などを行ったほか、古代中世の諏訪信仰の研究会「スワニミズム」で顧問を務めた。
諏訪市出身の考古学者、藤森栄一氏の書籍を担当したことから諏訪地域との関係が始まる。1973年創刊の「どるめん」では藤森氏や岡谷市出身の考古学者、八幡一郎氏らが寄稿した。諏訪信仰の研究グループ「古部族研究会」のメンバーとして、茅野市の研究者、今井野菊氏を訪ねて6日間泊まり込みで学び、後に諏訪地域を題材に日本の古層に迫る「日本原初考」三部作(75、77、78年刊)の発刊にも深く関わった。その後もたびたび諏訪を訪れ、主に富士見町の井戸尻考古館を拠点に活動。ともに所属した研究グループの「山麓考古同好会」「縄文造形研究会」で議論を重ねながら、縄文土器に表現されている複雑な形状や文様、遺構の配石の意味を月神話や東アジアに残る古い神話との共通性から見いだし「縄文図像学」を切り開いた。縄文時代の精霊信仰にも強い関心を寄せていた。92年に富士見町、2003年に茅野市に移り、諏訪地方での研究をさらに進める。06年に代表著「縄文のメドゥーサ」を発表した。12年発足のスワニミズムに顧問として参画。諏訪神社(現・諏訪大社)とともにあった神宮寺ゆかりの仏像を、所蔵する寺院などが一斉公開した昨秋の「諏訪神仏プロジェクト」でも関連シンポジウムで講師を務めた。
参照:
・ 諏訪信仰や縄文文化研究 田中基さん死去

追悼の言葉を残す

供花(カラー)