［お偲び］ 秋元貢 氏（横綱・千代の富士、九重親方）

備考：葬儀は近親者、関係者のみで執り行われる。
同郷だった当時の九重親方（元横綱千代の山）に15歳でスカウトされて、1970年秋場所で初土俵を踏んだ。抜群の運動神経を生かして出世し、74年九州場所で新十両、75年秋場所で新入幕を果たした。 関脇だった81年初場所で横綱・北の湖を優勝決定戦で破り初優勝。翌春場所で大関に、名古屋場所後に第58代横綱に昇進した。度重なる肩の脱臼などに耐えつつ、小兵ながら豪快な上手投げで土俵に君臨しファンを魅了。「ウルフ」「小さな大横綱」などと呼ばれた。88年九州場所では大鵬の45連勝を抜き14日目まで53連勝、双葉山の69連勝に迫った。89年9月に角界で初めて国民栄誉賞を受賞。91年夏場所限りで引退した。同場所で当時18歳の貴花田（現・貴乃花親方）に敗れたことがきっかけとされ、引退会見では「体力の限界。気力もなくなり引退することになりました」と涙を浮かべた。通算1045勝。幕内勝利数807勝。優勝回数は歴代3位の31回。引退後は年寄「陣幕」として後進の指導に当たり、92年4月、前九重親方（元横綱北の富士）から部屋を継承、元大関・千代大海（現佐ノ山親方）らをはじめ後進の指導に尽力した。2008年に初めて日本相撲協会理事となり、広報部長、審判部長、巡業部長、事業部長などを務めた。