［お偲び］ 笑福亭仁鶴 氏（上方落語家）

備考：葬儀は近親者で施行。本名は岡本武士（おかもと・たけし）。
1962年に六代目笑福亭松鶴に入門、その後三代目笑福亭仁鶴を襲名した。高座に上がる一方で、「ＡＢＣヤングリクエスト」など関西地区のラジオ深夜番組にも出演し、番組内での「どんなんかなー」などのギャグで若者を中心に大きな支持を集めた。69年に始まった毎日放送（大阪市）制作のバラエティー番組「ヤングおー！おー！」の初代司会者に起用されると、「視聴率を5％上げる男」と評されるほどの人気と全国区の知名度を獲得。落語家タレントの先駆けとして多彩な活躍を見せた。「四角い仁鶴がまあるくおさめまっせ」のフレーズで始まる、ＮＨＫの人気法律相談番組「バラエティー生活笑百科」では、司会役の「相談室長」を30年以上にわたって務め、幅広い世代に親しまれた。また、即席カレーのテレビCM「3分間待つのだぞ」などのフレーズで全国区の知名度を得た。
落語家としては、師匠の松鶴や桂米朝ら戦後の上方落語を牽引した四天王に続く世代として古典落語にこだわり、「崇徳院」「初天神」などを得意とした。月亭可朝、桂三枝（現・六代桂文枝）らとともに上方落語ブームを巻き起こした。70歳を超えてもホームグラウンドであるなんばグランド花月で独演会を開くなど、精力的に活動した。弟子に現上方落語協会会長の笑福亭仁智ら。所属する吉本興業の特別顧問も務めた。