[おくやみ]西村京太郎 氏(作家)91歳 2022年3月3日逝去

[お偲び] 西村京太郎 氏(作家)

西村京太郎(にしむら・きょうたろう)氏
命日: 2022年3月3日 17時5分
(神奈川県内の病院で)
年齢: 91歳
肩書: 作家
備考:葬儀は近親者で施行。後日、お別れの会を開く。本名は矢島喜八郎(やじま・きはちろう)。
東京陸軍幼年学校で終戦を迎えた。都立電機工業学校を卒業後、臨時人事委員会(後の人事院)に就職。11年間公務員として勤務して退職、トラック運転手や競馬場の警備員や私立探偵をしながら作家をめざした。1961年に「黒の記憶」でデビュー。63年に「歪んだ朝」でオール読物推理小説新人賞を受賞。65年に「天使の傷痕」で江戸川乱歩賞。社会派ミステリーを発表していたが、10年ほどヒットに恵まれなかった。転機は78年、トラベルミステリーの第1作「寝台特急(ブルートレイン)殺人事件」。東京から鹿児島に向かう寝台特急「はやぶさ」で事件が起きる。十津川警部が難事件に挑む、鉄道を舞台にしたミステリーは人気となった。「終着駅(ターミナル)殺人事件」で81年に日本推理作家協会賞。同年「夜行列車(ミッドナイトトレイン)殺人事件」、93年の「シベリア鉄道殺人事件」とシリーズは続き、全国各地の駅や列車の名前が登場して、多くの作品がテレビドラマ化された。切れ味の鋭いトリックとスピーディーなストーリー展開、旅情を誘う作品群は息の長いシリーズになった。80~90年代は東京から京都に転居し、作家の山村美紗さんと親交が深めた。京都の旅館で隣り合って長く暮らした。96年に山村さんが急死した後、未完の「在原業平殺人事件」などを引き継ぎ、完結させた。また、山村さんへの思いをつづった小説「女流作家」(00年)がある。山村さん亡き後、京都から神奈川県湯河原町に移り、2001年に自宅の隣に「西村京太郎記念館」を開館した。鉄道模型や刊行した書籍を展示していた。日本のミステリーの発展に寄与したとして、2005年には日本ミステリー文学大賞を贈られた。17年には陸軍幼年学校時代を振り返った新書「十五歳の戦争」で現代日本へ警句を発し、話題になった。19年には「十津川警部シリーズ」で吉川英治文庫賞を受けた。年に6回、鉄道で旅して12作を出すという執筆生活を長く続けていた。著作は600冊を超え、累計部数も2億部を超える。
参照:
・ 作家の西村京太郎さん死去 91歳、「十津川警部」など
・ 作家の西村京太郎さん、91歳で死去 トラベルミステリーの第一人者
・ 西村京太郎さん死去 91歳、トラベルミステリー作家

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