［お偲び］ 辰巳ヨシヒロ 氏（漫画家）

備考：本名は辰巳嘉裕（たつみ・よしひろ）。葬儀は近親者のみで執り行われる。
中学時代から漫画家を目指し、５０年代から貸本誌などに描き始め、大人向け作品を開拓した。従来の漫画の概念を超越した新たな手法を模索し、コマ数を多く使ったよりリアルな作風を確立。写実的でリアリズムを重視した作風を、自ら「劇画」と呼び、５９年にさいとう・たかを氏らと「劇画工房」を結成した。６０〜７０年代に若者の圧倒的人気を集めた漫画誌「ガロ」などに多数寄稿した。社会の底辺の人々の悲哀や屈折を描く作品は、特に海外で高い評価を受け、２００５年の仏アングレーム国際漫画祭特別賞など多くの賞を受賞。９５年から０６年にかけ執筆した大作「劇画漂流」は、０９年手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。また、１１年にシンガポールのエリック・クー監督により「ＴＡＴＳＵＭＩ　マンガに革命を起こした男」としてアニメ映画化され、１４年に日本でも公開された。