[おくやみ]野村幻雪 氏(能楽師観世流シテ方、重要無形文化財保持者)84歳 2021年8月21日逝去

[お偲び] 野村幻雪 氏(能楽師観世流シテ方、重要無形文化財保持者)

野村幻雪(のむら・げんせつ)氏
命日: 2021年8月21日 11時6分
(東京都渋谷区の病院で)
年齢: 84歳
肩書: 能楽師観世流シテ方、重要無形文化財保持者
備考:本名は野村四郎(のむら・しろう)。葬儀は近親者で施行。後日、お別れの会を開く。
和泉流狂言方の名人、六世野村万蔵の四男として生まれ、3歳で狂言の初舞台を踏む。能の美しさに魅了され1952年に観世流宗家観世元正(後の左近)に入門した。のちに観世寿夫にも師事し、62年に独立してからは、端正で優美な芸風で観世流シテ方として活躍した。「関寺小町」「檜垣」「姨捨」などの老女物や「道成寺」「石橋」といった古典の曲を閑雅に舞うとともに、夏目漱石「水底の感」や高浜虚子「実朝」、シェークスピアの作品を題材とした新作上演にも携わった。バロックオペラと能を融和させた作品の演出に挑むなど、能を通じた表現の開拓に力を注いだ。欧米やインドなど海外でも公演。能楽界をリードし、狂言で認定された兄の萬、万作とともに、四郎は2016年に人間国宝に。3兄弟で人間国宝に認定された初の例となった。日本能楽会会長や観世会顧問も務めた。東京芸術大名誉教授。98年に紫綬褒章、18年に旭日小綬章。その功績から2021年4月、観世宗家に雪号の称号を許され、「幻雪」を名乗っていた。
参照:
・ 野村幻雪さんが死去 能楽シテ方の人間国宝
・ 能楽師の野村幻雪さん死去 兄の萬・万作さんも人間国宝
・ 野村幻雪さん死去 人間国宝の能楽師、84歳

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