［お偲び］ 陳舜臣 氏（作家）

備考：葬儀は近親者のみで執り行われる。
大阪外国語学校（現大阪大）卒。１学年下に作家の司馬遼太郎がいた。１９６１年、神戸を舞台にした「枯草の根」で江戸川乱歩賞を受賞し、推理小説作家としてデビュー。その後、中国歴史小説を手掛け、６７年に大作「阿片戦争」を完成。６９年「青玉獅子香炉」で直木賞、７０年「玉嶺よふたたび」「孔雀の道」で日本推理作家協会賞を受け、人気作家としての地歩を築いた。日中国交回復後の７２年からは毎年のように取材を兼ねて中国を旅行。過去を見る確かな目と広く深い教養に支えられ、歴史小説や随筆、紀行文、漢詩へと作域を広げた。７６年「敦煌の旅」で大佛次郎賞、９２年「諸葛孔明」で吉川英治文学賞を受賞、「琉球の風」は９３年にＮＨＫ大河ドラマ化された。９４年度の日本芸術院賞を受賞。９５年阪神大震災で被災した後も神戸に根差した執筆活動を継続。９６年から日本芸術院会員。９８年に勲三等瑞宝章を受章し、喜びの言葉の中で日中相互理解の大切さを訴えた。他の著書に「小説十八史略」「太平天国」など。２００１年には代表作を網羅した「陳舜臣中国ライブラリー」（全30巻）が完結。１４年、神戸市中央区に愛用の品々や自筆原稿を展示する「陳舜臣アジア文藝館」がプレオープンした。本籍は台湾だったが、日本生まれの立場から積極的に発言、日中両国の文化的な懸け橋の役割を果たした。９０年には日本国籍を取得した。