なぜSogi.jpを始めたか

個人的なブログを書くことにしました。
正確には、個人的なブログを書くことが「できました」です。
もっと早く始めるべきでしたが、システムの知識が未熟で、
取材記事と個人的雑記を切り分けることに時間を要しました。
能力不足で、恐縮です。

ブログでは葬儀の個人的な考えや取材のこぼれ話を書く所存です。
まず、「なぜSogi.jpを始めたか」について書こうと思います。

Sogi.jpは、
「葬儀社を取材して記事にし、広く一般に知ってもらう」
ことを目的としています。

葬儀社情報は、手に入れ難いものです。
「自分が喪主になった場合、どこの葬儀社に頼むか?」
私自身、10年近く全国の葬儀社と関わる仕事をしてきましたが、
地元の葬儀社がどのような葬儀をしているのか知りませんでした。
住んでいる川越市には、約30の葬儀社があります。
ネットで調べると、約半数がホームページを持っています。
その内、詳細な情報が載っている葬儀社は片手で数える程です。
電話や訪問で調べるのは、終活全盛のご時世でも大変なことです。

ネット時代の今、もっと簡単に葬儀社情報が手に入らないものか。
それが、Sogi.jpを始めたきっかけです。

しかし、取材のお願いで葬儀社を回ってみると、
「葬儀社を取材する」ことが大変難しいことに気付きます。
ネットに記事を出すと認知度も広がりメリットもあると、
こっちは勝手に考えるのですが、様々な理由でお断りされます。
「依頼が入りすぎても困る」と、断られたこともありました。

葬儀社に取材を避けられて感じることは、
「他社が出さないのであれば、うちも情報を出す必要はない」
という空気感。
それと、顧客に発信する情報には非常に気を遣っていること。
下手に情報発信をして、売上に影響が出ることを恐れている。
そのリスクを避けたい。
こちらの努力で改善できる部分もありますが、
特に前者は葬儀業界の体質です。地域産業なので、
近隣他社がやらなければ自社も取材を受ける必要はない、
という暗黙の了解のようなものを強く感じます。

しかし、一般に葬儀社情報が不足している状況は、
フェアではないと思うのです。
葬儀社もサービス業ですから、どう情報を出そうが、
企業次第と言われるかもしれません。
でも、他のサービス業と条件が異なる点が1点あります。
それは、葬儀社を選択するまでの時間が限られていることです。

もし亡くなってから葬儀を考える場合は、
2,3日の間に葬儀社を選ぶことになります。
エンバーミングでもしない限り、ご遺体がもちません。
短時間で、情報が少ない中で、精神的に落ち込んでいる状況で、
葬儀社選びを急かされるのは、フェアではありません。

少しでもフェアな状況にするために、
簡単に葬儀社情報が手に入る必要があります。
事前相談という手段もありますが、事前相談をしていない人でも、
簡単に葬儀社情報が手に入れられるべきです。
それは本来、当然のことだと思うのです。

一方で、葬儀社情報を簡単に取得できる環境作りは、
「福祉」に関する課題でもあります。
ですので、自治体(市区町村)の仕事でもあります。
「葬儀の価格が不透明」という点をもって、
固有の1社の葬儀社が責められるべきではありません。
もし、地域の葬儀社情報がすぐに手に入れ難いと感じるのならば、
福祉向上の観点から、自治体に対して改善要求しても良いのです。
欧米では、自治体が葬儀社に価格表を提出させて公表しています。
自治体のホームページにアクセスすれば、
いつでも簡単に葬儀社の価格表が分かるようになっています。
日本でもそういう環境が整えば、情報難は今より改善するでしょう。
そういう環境にするために、Sogi.jpは努力したいと考えます。

ちなみに川越市の葬儀への関わりは、全国的に見ても特殊です。
葬儀式場「やすらぎのさと」を市が管理しており、
そこでの葬儀価格の上限を47万円(税抜)までと決めています。
サービスに対して金額の上限を決めることには議論があるでしょうが、
葬儀への関与が少ない自治体が多い中、
積極的に葬儀を管理している姿勢は評価できます。
高齢化社会が進む中、自治体の積極的な葬儀への関与を生み出す。
そういう「流れ」を作ることも、Sogi.jpの役割です。

整然としない文章を書きましたが、最後に。
Sogi.jpは、取材を受けていただいた葬儀社を、
より良い葬儀業界の環境作りにご協力いただいた葬儀社と考えます。
一方で、事情があって取材は受けられなかった葬儀社もあります。
取材はお断りしたけれども、
地域の葬儀事情について丁寧に教えてくれた葬儀社もあります。
そんな葬儀社もあることを、付記しておきます。

本当はご協力いただいた葬儀社を全て記事にできるのがベストです。
取材においても、能力不足で恐縮です。

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