［お偲び］ 伊藤雅俊 氏（株式会社イトーヨーカ堂 創業者、株式会社セブン&アイ・ホールディングス 名誉会長）

備考：葬儀は近親者で施行。
横浜市立横浜商業専門学校（現・横浜市立大学）を卒業し、三菱鉱業（現・三菱マテリアル）を経て家業の洋品店「羊華堂」を母と兄とで再興した。1958年に現在の「イトーヨーカ堂」の前身となるヨーカ堂を創業。61年の海外視察を機に、セルフサービスの米国型スーパーマーケットのチェーン展開に踏み切り、日本のスーパー勃興期の一翼を担った。1973年に米国のレストラン大手・デニーズと技術援助契約を結んでデニーズジャパン、米国のコンビニエンスストア・セブン-イレブンとライセンス契約を結んでヨークセブン（現・セブン-イレブン・ジャパン）を立て続けに設立した。80年度に三越（現三越伊勢丹ホールディングス）を抜き、経常利益で小売業日本一を達成。ダイエー創業者の中内㓛氏らと並ぶ戦後日本の流通業界を代表する経営者の一人となった。92年に総会屋への利益供与事件の責任を取って社長を退き、イトーヨーカ堂社長を鈴木敏文氏に譲った。2005年のセブン&アイHD設立以降も創業家として、世界的な小売企業となったセブン&アイHDの経営を支えた。イトーヨーカ堂などが大きなチェーンに育った後も商人の心構えを重視し、従業員らの精神的な支柱であり続けた。社外活動では、スーパーの業界団体である日本チェーンストア協会の会長を務めたほか、若者に勉学の機会を提供するため、財団法人「伊藤謝恩育英財団」を設立した。