[おくやみ]八千草薫 氏(女優)88歳 2019年10月24日逝去

[お偲び] 八千草薫 氏(女優)

八千草薫(やちぐさ・かおる)氏
命日: 2019年10月24日 7時45分
(東京都内の病院で)
年齢: 88歳
出身: 大阪府大阪市
肩書: 女優
備考:葬儀は近親者で施行。本名は谷口瞳(たにぐち・ひとみ)。
1947年に宝塚歌劇団に入り、娘役のスターとなる。51年に映画デビュー。54~56年、稲垣浩監督の「宮本武蔵」3部作で三船敏郎の武蔵をひたむきに愛するお通役で注目される。55年にはイタリアで撮影された日伊合作映画「蝶々夫人」でヒロインの蝶々さんを演じて国際的にも高く評価された。可愛く屈託のない女性を数多く演じて人気を博した。57年、川端康成の小説を豊田四郎監督が映画化した「雪国」で、岸惠子の義妹の複雑な心境を表現し、演技力も評価された。同年に宝塚歌劇団を退団し、前年に出演した映画「乱菊物語」の谷口千吉監督と結婚した。72年、「男はつらいよ 寅次郎夢枕」でマドンナを務めた。74年には寺山修司監督のATG映画「田園に死す」に出演。作品の幅を広げた。77年、山田太一脚本の連続ドラマ「岸辺のアルバム」で、平凡な家庭の主婦が、ふとしたきっかけで知り合った男性との不倫愛に走る姿を好演。清らかなイメージを覆して茶の間に衝撃を与え、テレビ大賞主演女優賞を得た。他のテレビドラマに「シャツの店」や「女の言い分」など。舞台では「二十四の瞳」の大石先生、「細雪」の幸子、「華岡青洲の妻」の加恵など、女性の芯の強さをにじませる役どころを好演した。他の舞台に「黄昏」など。2003年、かつて出演したテレビドラマを森田芳光監督が映画化した「阿修羅のごとく」で日刊スポーツ映画大賞助演女優賞など多くの賞を受けた。09年には西川美和監督の「ディア・ドクター」などで、報知映画賞の助演女優賞を獲得した。80歳を超えても映画「くじけないで」「ゆずり葉の頃」に主演。17年には、往年の名優が大挙出演して話題を集めた倉本聰脚本の昼ドラマ「やすらぎの郷」に、「姫」と呼ばれる元女優を演じた。この続編に当たる「やすらぎの刻~道」にもヒロインとして出演予定だったが、がんの治療のために降板していた。86年に菊田一夫賞、03年に田中絹代賞、09年に山路ふみ子映画功労賞、16年には日本アカデミー賞会長功労賞を受けている。また97年に紫綬褒章、03年に旭日小綬章を受章。山歩きが趣味で、85年には旧環境庁の自然環境保全審議会委員も務め、自然保護活動にも取り組んだ。
参照:
・ 女優の八千草薫さん死去 88歳、「岸辺のアルバム」
・ 八千草薫さん死去「岸辺のアルバム」「雪国」代表作多数
・ 女優の八千草薫さん死去=88歳、「岸辺のアルバム」などで好演

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