[おくやみ]西山太吉 氏(元毎日新聞記者)91歳 2023年2月24日逝去

[お偲び] 西山太吉 氏(元毎日新聞記者)

西山太吉(にしやま・たきち)氏
命日: 2023年2月24日 7時35分
(福岡県北九州市の介護施設で)
年齢: 91歳
出身: 山口県下関市
肩書: 元毎日新聞記者
備考:葬儀は近親者で施行。
慶応義塾大学大学院修士課程を修了後、1956年に毎日新聞社に入社。政治部で首相官邸や自民党などを担当した。外務省キャップとして沖縄返還交渉を取材中の72年、沖縄の米軍用地の原状回復補償費400万ドルを日本側が肩代わりするとの密約を巡り外務省の女性事務官に機密公電の漏洩を働きかけたとして国家公務員法違反容疑で逮捕され、起訴された。東京地裁は無罪判決を言い渡したが高裁で逆転有罪となり、78年に最高裁で確定した。世論の関心は密約よりもスキャンダルに移り、報道のあり方が問われた。政府は密約の存在を否定したが、2000年以降、米側の公文書や元外務省幹部の証言で、相次いで確認された。05年、違法な起訴や誤った判決で名誉を傷つけられたとして、国に謝罪と損害賠償を求めて提訴。08年に最高裁で西山さんの敗訴が確定した。09年には原告の一人として密約文書の非開示処分取り消しを求めて提訴。元外務省幹部が法廷で密約の存在を証言した。東京地裁は10年、密約の存在を認定し国に関連文書の全面開示を命じたが東京高裁で逆転敗訴し、14年に最高裁で確定した。外務省機密漏洩事件の一審判決後に毎日新聞を退社。北九州市で親族の青果会社で働いた。05年の提訴後は安全保障問題や報道の自由について積極的に発言していた。著書に「記者と国家 西山太吉の遺言」「沖縄密約 『情報犯罪』と日米同盟」など。一連の事件をテーマにした作家の故・山崎豊子さんの小説「運命の人」のモデルにもなった。
参照:
・ 西山太吉さん死去 沖縄返還の密約報道、元毎日新聞記者
・ 元記者の西山太吉さんが死去 91歳 沖縄返還めぐる「密約」報じる
・ 西山太吉さん死去、91歳 元毎日記者、沖縄密約を入手―「運命の人」モデル

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