[おくやみ]阿川弘之 氏(作家)94歳 2015年8月3日逝去

[お偲び] 阿川弘之 氏(作家)

阿川弘之(あがわ・ひろゆき)氏
生誕: 1920年12月24日
命日: 2015年8月3日 22時33分
(東京都内の病院で)
年齢: 94歳
出身: 広島県広島市
肩書: 作家
備考:葬儀は近親者のみで執り行われる。
旧制広島高校在学中から小説を執筆、島尾敏雄らの同人誌「こをろ」に参加した。1942年に東大国文科を繰り上げ卒業し、海軍予備学生に。士官として通信諜報の任務につく。中国・漢口で敗戦を迎え、捕虜生活の後、復員して故郷の惨状を目の当たりにした。46年発表の短編「年年歳歳」で復員体験を描き、志賀直哉に認められて文壇デビュー。その後も、志賀文学から学んだ端正な私小説を書いた。自らの体験をもとに、戦中、戦後の海軍予備学生たちの一途な青春像を描いた長編「春の城」(52年)で読売文学賞。広島原爆の後遺症に苦しむ人々を描いた「魔の遺産」、学徒出陣した特攻隊員の苦悩をテーマにした「雲の墓標」など、優れた戦争文学を著した。安岡章太郎、吉行淳之介、遠藤周作らとともに「第三の新人」とも呼ばれた。「山本五十六」(65年)を皮切りに伝記文学にも力を注ぎ、「米内光政」(78年)に続く海軍提督3部作の完結編「井上成美」(86年)で87年に日本文学大賞。海軍の歴史を踏まえながら、体験者の談話を盛り込む手法で、人物像を魅力的に描き、戦争小説の新境地を切り開いた。94年には、事実を積み重ねることで師の生涯を書いた評伝「志賀直哉」で野間文芸賞と毎日出版文化賞を受けた。また、古びた機関車が主人公の童話「きかんしゃやえもん」は児童文学のロングセラーとなっている。旅の醍醐味をつづった「南蛮阿房列車」(77年)など随筆も定評があった。「食味風々録」(2001年、読売文学賞)は食への探求心と人生の考察が溶け合った秀作。また、保守派の論客として知られ、97年からは雑誌「文芸春秋」の巻頭随筆を担当した。他にも「暗い波濤」「軍艦長門の生涯」など著書多数。79年に日本芸術院会員、99年に文化勲章を受けた。長男は慶応大学教授の阿川尚之さん、長女は作家・エッセイストの阿川佐和子さん。
お別れの会:
2015年11月24日
帝国ホテル「富士の間」
発起人:三浦朱門氏、平岩弓枝さん、倉本聰氏 さん
参照: ウィキペディア
・ 作家の阿川弘之さん死去 「山本五十六」・第三の新人
・ 作家の阿川弘之さんが死去 文化勲章受章者
・ 訃報:阿川弘之さん94歳=作家、「山本五十六」
・ 故阿川弘之氏のお別れの会 作家
・ 故阿川弘之氏のお別れの会

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