[おくやみ]小崎登明 氏(カトリック修道士、長崎の被爆者)93歳 2021年4月15日逝去

[お偲び] 小崎登明 氏(カトリック修道士、長崎の被爆者)

小崎登明(おざき・とうめい)氏
命日: 2021年4月15日 18時48分
(長崎県長崎市の病院で)
年齢: 93歳
肩書: カトリック修道士、長崎の被爆者
備考:葬儀は近親者で施行。本名は田川幸一(たがわ・こういち)。
三菱兵器製作所の少年工員として働き、長崎市赤迫のトンネル工場で被爆した。爆心地から約500メートルの家にいた母とは二度と会えず、孤児となった。昨秋から毎週、面会やビデオ通話を重ねた。自分に暴力を振るった年長の工員がうめいているのを見て「ざまあみろ」とののしり、助けを求める手を振り払って逃げた。無事だった自分に「エリート意識」を感じた――。「人間とは悲しい存在」。最後となった2月の講話でそう語った。戦後、聖母の騎士修道院(長崎市)に身を寄せ、修道士に。ポーランド人のコルベ神父(1894~1941)に希望を見いだした。長崎で布教し、アウシュビッツ強制収容所で身代わりを申し出て亡くなった神父の生き方を、自らの体験と対置。30代から長崎やポーランドで足跡を調べ、雑誌や著作で発表した。80年代初頭には神父の資料を作家・遠藤周作に提供。遠藤の代表作の一つ「女の一生――二部・サチ子の場合」に結実した。
参照:
・ 「孤独と出会い」最期まで発信 被爆者小崎登明さん死去
・ 小崎登明氏死去 長崎で被爆の修道士

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